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[川柳]震災の夜 神様のような湯気

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1月の神戸は花がよく売れるという句を詠んだことがある。空白になって取り残された場所を通りかかると、合掌や花束を見かけて、時間は止まったままなのだなと思う。ガスも電気も止まった夜に、優しさたちが持ち寄ってくれた湯気はとても温かかった。「まだ」の人たちに、僕は何をどんな風に分けることができるだろうかと考える。

震災の夜 神様のような湯気
ふあうすと2009年3月号「明鏡府」掲載