[短歌]新しい姓は知らない空の下いつか見ていた夢の残照

駅前に伸びていた古ぼけたビルたちはもう、記憶の中にしか存在しない。生まれ変わる未来、新しいコンクリートに僕たちは少しずつ馴染んで、また、誰かの思い出で彩られていくことを微笑ましく眺めていくことになるのだろう。近いようで遠くなっていく欠片のひとつひとつ、重機たちが地面を揺らすたびにグニャリと歪んでいくような気がして、刹那、胸の焦げる息苦しさに襲われた。

新しい姓は知らない空の下いつか見ていた夢の残照