[川柳]梅雨めいて地球と屋根がキスをした

4月には雪の日と真夏日があって、5月には台風が青葉を揺らした。季節が急いで、もう、屋根の下で読む本のことばかりを考えている。梅雨を思わせる空、雨に閉じ込められて活字を追いかけるのが好き▼本をカバンに詰め込みすぎて、肩と手首を痛めてしまった。電子書籍であればなるほど、何冊も持ち歩くことができる。電子書籍で買える本、電子書籍では買えぬ本。結果、紙の本と電子書籍の端末が僕の肩にますます食い込んでいく▼屋根に落ちる雨の音に本たちは聞き耳を立てて。雨と活字が僕を宇宙へと誘ってくれる。

梅雨めいて地球と屋根がキスをした
ふあうすと2015年6月号裏表紙