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[川柳]教科書を破って夏のふたり乗り

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教科書を破って夏のふたり乗り

「これをしなさい」と言われたら、どうすればしないで済むか考えてばかりいた。隣町へ架かる橋を渡れば見知らぬ景色、ありったけの小銭で買い食いなんかもした。「忙しいから」なんて言い訳、いつから常套句になってしまったのだろう。常識、マナー、責任、ルール。くたびれた顔をして大人は、トランペットの響くきーんとした空を思い出して過ごす。

ふあうすと2013年8月号「明鏡府」掲載