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[短歌]絵葉書のように優しい空でした過ぎて気付いた校庭は青

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絵葉書のように優しい空でした過ぎて気付いた校庭は青

野球部は簡単にボールを打ち上げてしまい、陸上部は走り高跳びのハードルを上げられない。音痴な吹奏楽部は、間延びした音を時々鳴らしている。それでもみんな、叶うことだけを信じて夢中の顔をしていた。遠くなっていく景色、戻れない校舎。透明な空と仲間たちを思い出しては、今日も名刺交換の仮面を生きている。

NHK短歌2013年5月号「校庭」佳作入選