月別アーカイブ: 2015年9月

[川柳]秋が吹く 彼にも父母がいてひとり

手のひらから言葉を放って、誰かと優しく繋がり合うことの出来るはずだった機械は、同時に、糾弾のナイフとなって、罪人の心に刺さり続けるようになってしまった。武器にもなる、毛布にもなる、ことばの温度は状況によって変化する。いつか来た道で、いつか行く道。僕は僕のこととして、許すための言葉を選びたい▼井戸の底はざらざらしている。触れたことに気付けば、あとは見上げるばかり。その角度の先に空は開いている。

秋が吹く 彼にも父母がいてひとり
ふあうすと2015年10月号裏表紙


[川柳]星の名は知らずに星を父と決め

父の誕生日に同友会、人前での報告を終えた。商売は人の役に立つために在るのだと思っている、お金はいつも、尻尾のあたりについてくるということ。社内で僕の説くこの言葉は、生前の父の背中にずっと学びつづけた▼何年経っても「亡父」と書くことに抵抗がある。父のことを思いだしては、教えてほしいことも褒めてほしいこともたくさん。弱いのは父がいないからで、強くなれるのは父がいるから。

星の名は知らずに星を父と決め
ふあうすと2015年9月号「明鏡府」掲載


[短歌]細胞のひとつに溶けていたいから小さな傷を伝え続ける

承認されたいというココロが言葉を選んで間(ま)を創造する、受け取るのは想像のココロ。誰かと誰かのキャッチボールについて言及するよりも、微笑んで見守っているほうが、きっとこっちも幸せになれる。ひとそれぞれの世界を認めることが、自分も許されることへの真理、近道。

細胞のひとつに溶けていたいから小さな傷を伝え続ける