月別アーカイブ: 2015年8月

[短歌]一年で一番ほっとしています決算終えた夜の飴玉

法人税や消費税の納付を終え、無事に決算を完了させることができた。6月は最終月の追い込み、7月は決算書の作成と社会保険の手続、8月は大きな制作の仕事と納税と、この3か月は毎年、追われるばかりで追いかけることができていないように思う。改善の余地は大きい。小さい会社、ゆえの、これからのいろいろを想像して蒼と安堵の溜息を繰り返す。忙しいという言葉を言い訳にして失ったものは幾つ。

一年で一番ほっとしています決算終えた夜の飴玉


[川柳]許されたことにしている盆の月

そうでなくても月は死者に近いような気がしてならないのに、父は薄紅の満ちたころに亡くなったものだから、花鳥風月のそれぞれに思い出がリンクしている。季節のイベントを大事にした父の演出かもしれず「そこんとこはどうだったの?」と、あっちに行ったら一番に聞いてみたい▼お盆を過ぎて秋は少しずつ。月は優しい顔をしてこの道を照らす。

許されたことにしている盆の月
ふあうすと2015年9月号「明鏡府」掲載


[川柳]遠雷の何処かに笑う声のする

365日いつも店を開けていた父も、たとえば台風、たとえば地震、非日常の時にはそばにいてくれて、家族の中で存在感を強くしていた▼誰かの日常は自分たちの日常であるとは限らず、非日常が訪れてはじめて僕たちの日常となることがあった。不謹慎であるかもしれず、なかなか声に出しては言えないそんな気持ちを夕立の雲に思い出したことも、今年の夏の記憶になる。

遠雷の何処かに笑う声のする
ふあうすと2015年9月号裏表紙


[短歌]風穴の向こうの虹が見たかったもう灰色の白いクレヨン

旧態依然が好きではなくて僕はトンカチを携えて虹を見たいと願った。小さな穴の向こうに微かに希望たち、あっちの世界の手招きはとても魅力的に思われた。ところが、こっちの世界の風はまだまだ冷たく、僕はどうやら工事の中断を余儀なくされてしまうらしい。疲れたなぁと声に出した腕の下には、彩りの途中のノートが放置されている。僕はただ唇を噛みながら自分の心を守ることに決めた。

風穴の向こうの虹が見たかったもう灰色の白いクレヨン


[短歌]戦争を嫌う同士の争いのそばに若葉があるということ

正しいとか間違っているとか、そういう議論はよくわからない。手段を問う議論はいくらでもやるべきだと思うが、意に反する相手を貶めんとする議論のやり方は「戦争に行かせたくない」と思う子どもたちにはどんな風に見えるのだろう。

「Yes」から始まって「but」で伝える主張と、「No」だけを貫く主張と。いい国であることはもちろん、いい大人であることも未来のためには大切なことなのではないか。

戦争を嫌う同士の争いのそばに若葉があるということ