月別アーカイブ: 2014年8月

[川柳]でじたるを泳ぐ魚の無限大

でじたるを泳ぐ魚の無限大

川柳界の高齢化が叫ばれる一方で、FacebookやTwitter、ブログでの発信や交流を試みる人も増えつつある。「誌」で繋がって「でじたる」で深まる。柳人たちの息遣いをいつでも感じられるのは楽しいものだ。書いて、すぐに伝えることのできる携帯電話やスマフォは短詩文芸との相性も良い。37歳の僕はこの世代の人たちに文芸の魅力を伝えていく。僕よりも先輩の方々には、この世界を試みて交流を深めてみてほしいと願う▼ちいさな秋の気配、続く残暑の予感。季節に関係なく泳ぐことのできる海、繋がれ、深まれ。

ふあうすと2014年9月号裏表紙


[川柳]夏の背に忘れたはずの潮の音

夏の背に忘れたはずの潮の音

海の街に住んでいると、潮の香りや打ち寄せる波の音、汽笛、霧、砂浜といったそれっぽいアイテムたちがいつかの記憶にリンクしてしまうことがある。甘い夢や淡い約束はテトラポッドの上に置いてきたつもりで、時々、たらればの未来に飛んでいく束の間の遊戯。夏の背が見え隠れし始めると、遠い遠い何かを空想してしまうのは悪い癖だね。

ふあうすと2014年9月号「明鏡府」掲載


[短歌]なに一つ欠けることなく過ぎていく台風であれ夜の耳たぶ

なに一つ欠けることなく過ぎていく台風であれ夜の耳たぶ

闇の向こうから近づいてくる非日常は好きだけれど、モノやヒトの何かが失われるようであってはならない。風と雨のライブを耳で想像して、ほんのしばらく、のち、平穏な時間が再開されることを祈る。セミたちの小さな身体に、粒はどれほど痛いのだろう。


[短歌]自己管理能力という有り難く長い話をいただくマスク

自己管理能力という有り難く長い話をいただくマスク

白いマスクの風邪引きさんが「君は自己管理能力がないんだ。私は風邪なんて一度も引いたことがないよ全く」という有り難い話を聞いている。捻くれた僕は、体調の悪い人を立たせたまんま話をしているあなたの他者管理能力はどうなんですかー?とその状況を眺めてる。体調の悪いときに見える感じる、人の心のいろいろ。人の立場のいろいろ。


[川柳]夏来るFacebookは白い雲

夏来るFacebookは白い雲

夏は青と白、絵日記の浮かび上がったような毎日がFacebookに満ちていて楽しい。そうか、大人たちはこんな風にして子どもたちの夏を演出しているのだということも知って、無性に父に逢いたくなった。通っていた中学校の校庭で行われる夏祭りは今年は中止。見慣れた校舎が取り壊しになるのがその理由と知って、僕には何もかもが懐かしくなる特別の夏だ。