月別アーカイブ: 2014年6月

[短歌]先輩は先輩らしくあるためにしょっぱい汗を語る生き物

先輩は先輩らしくあるためにしょっぱい汗を語る生き物

ジョギングをしていると明石で塾経営を頑張る後輩に偶然出会った。汗に濡れたシャツを気にせず話し込んでしまうのは、起業前から相談し続けてくれた彼のこれからをもっともっと応援したいという気持ちがあるから。彼の考える次の事業計画を肴に飲みに行くつもり、彼に負けないくらい自分ももっと頑張るつもり。


[川柳]風に聴くから地図はもう捨てていく

風に聴くから地図はもう捨てていく

埋没しがちな個性や存在価値について相談されることが多い。最近はそれをブランディングと称して商売にしている人も多いのだとか。論で人が動くのではなく、義理人情で人は繋がっていく。特にここは関西という土地で、「ええかっこしい」よりも「面白い人間」が可愛がられるということを思えば、東京発の教科書に縛られるのではなく、まずは動き出して話しかける姿勢でありたい。「毎度おおきに」

ふあうすと2014年2月号「明鏡府」掲載


[短歌]朝に鳴く鳥が窓から遠くなる天気予報の傘は寒色

朝に鳴く鳥が窓から遠くなる天気予報の傘は寒色

鳥だって目を閉じて眠っているはずなのに、明るくなると鳴き始めるのはどうしてなんだろう。夏至の頃、彼らの睡眠時間は一年で一番短くなるんだろうか。そして雨に鳴かない朝の鳥たちは、雨を避ける木々のあたりでどんな蒼を吐き出しているのか。枝と葉の知っている鳥の憂鬱、梅雨に飛べない朝の溜息。


[短歌]「腹痛がする」で休める日もあった夜を終えたら星が見たいね

「腹痛がする」で休める日もあった夜を終えたら星が見たいね

じっとしているだけで汗が滲み出るような日も、自転車をこぎ出せば風に出逢える。仕事も同じことで、動けば動くほど芽吹きを感じることができるので面白い。ばたばたしているときほど、次に余裕が生まれたらこんなことをしてみたいという気持ちになる。もっとも、踊り場に辿り着いたらいつも「ちょっと休憩」と自分を許して、結局次には進めないもんなんだけど。今度こそは覗いてみたい世界があって、ボタンを押すかどうか悩んでいることがひとつ。


[川柳]カタカナが増えたね 星に祈る夜

カタカナが増えたね 星に祈る夜

幼少の頃に短冊に祈ったほとんどは「○○になりたい」という類のものだった。「○○でありますように」という他者を中心としたものが増えてきたように思うのは世界情勢の変化のせい?願わくは、国境という線に関係のない様々な祈りが、同じ一本の竹に結ばれている。そんな光景がずっと続くことではあるのだけれど▼会社のメンバーに新しい命が誕生した。この子が迎えるどんな時代も、「ハロー」と言い合える、そんな優しい世の中であってほしいと願う。

ふあうすと2014年7月号裏表紙


[川柳]身を壊すほどに想った 丸い月

身を壊すほどに想った 丸い月

綺麗だったハニームーン。「決算月」という尖った月に心が折れそうになっても、月明かりで蛍を探したり月に何かを祈ったり、希望を見つけようとする人たちの呟きや行動に触れて癒されてみる。それぞれの抱えるリアル、そして束の間。6月の数字と7月のプレッシャーを抜けたら、星の下で飲んでみたいなあ。

ふあうすと2012年10月号「明鏡府」掲載


[川柳]ジョーカーのいない笑顔は信じない

ジョーカーのいない笑顔は信じない

口角を上げて笑うことを意識している人に会うと、自分のトークでは自然な笑みをこぼしてくれないのだなぁという気になる。「僕のモノマネでは、歯を見せてお腹を抱えて笑ってくれないんだろうか?」と友人に尋ねると「それが面白くないから一生懸命笑顔を作ってくれてるんじゃない?」と返事。えぇ?

川柳マガジン2006年7月号印象吟「ダイヤのトランプ」入選


[川柳]優しさは外税だったバーコード

優しさは外税だったバーコード

店員さんの指先が、コンビニのロゴでプリントされたテープで巻き付けられている。商品の入替作業中に誤って切ってしまい、絆創膏の代わりに使っているらしい。「大変だね、お大事に」と伝えて店を後にしてから、そうだ絆創膏を買ってあげれば良かったのだと気付く。得意になって「お大事に」を伝えた自分の声がリフレインして、袋の中のガリガリ君がいつも以上に冷たく感じられた。


[短歌]「普通ならこうするでしょう、わからない? 普通にしてよ普通でいいの」

「普通ならこうするでしょう、わからない? 普通にしてよ普通でいいの」

ミスをしたなら社長が一番に謝りに来るべきでしょう論と社長が謝ってばかりいたら組織が強くならない論とがある。論を唱える相手によって自分が出向いたり出向かなかったりするのもブレているように思うし、こういうときの態度は重要だ。「普通」の教科書ってないし、平均的な「普通」を意識すると薄っぺらい感じもする。負の感情を鎮めるための「申し訳ありません」ではなく、お叱りの意味を真に理解するためにはどうしたら良いか。あぁでも、殊勝や反省を伝えるためには、やっぱり平均的な方がいいのか…なんてぐるぐる考えていると、誠意と演技って紙一重なんだなぁという気がしてくる。


[川柳]天の川ひとを許した夜のこと

天の川ひとを許した夜のこと

七夕は雨に濡れやすい気がして、調べてみるとやっぱり特異日だった。雨に邪魔されて川を渡ることのできない二人を気の毒に思ったものだけれど、雨のカーテンに遮られるおかげで、雲の上では誰の視線も気にする必要がないと想像することもまた。裏側も考えられるようになったのは大人になったからか。短冊に現実的なことを願うようになったのは大人に疲れているからか。

ふあうすと2013年10月号「明鏡府」掲載