月別アーカイブ: 2013年8月

短歌 20130831

トラブルの続いて軋む骨の音角を曲がれば海があるのに

「べき論」が嫌いで、どちらかといえば反発して生きてきた。いわゆる天邪鬼。なのにいつからか「恥」だとか「責任」を意識しすぎて、鎖の半径でしか動けなくなっていたような気がする。「いままで」を改めて「これから」に反映させようとするとき、骨が軋むのは必然。成長痛のように思っていたそれは、どうやら違うらしいと思い始めている。


川柳 20130823

灼熱を越え忙しくなる手帳

週間天気予報の来週に、ほんの少しだけ気温の下がる日を見つけるのが好き。色や空気、匂い、雰囲気が少しずつ秋へと変化をしていく。暑さで躊躇していたあれやこれも、平常を取り戻せばきっと▼なんとなく夏は、一年の折り返しのような気がしてしまうけれど、もう実際は3分の2の時間が終わろうとしている。正月に描いた目標は、さて、同じだけ近づいているのかどうか▼今年の夏も、年鑑の入力作業でたくさんの句と向き合うことが出来た。ここからは編集作業。ひとつひとつの句に色を添えていく。

ふあうすと2013年9月号裏表紙


川柳 20130817

初盆は青 君に似た雲はまだ

春に亡くした愛犬の初盆に、幾つかのお心遣いをいただいた。僕の家族の半分以上は、もう、光の中にいて、居心地の良い方で笑っていてくれたらそれでいいのだけれど、携えた写真に毎日、一緒に越えられなかった夏のことは話し続けている。君がいたから、君がいなくて。


川柳 20130804

秒針とうたた寝たちの午後 透けて

隣のテーブルの男性が「隠れ家的なお店に連れて行ってあげたくて」と次のデートの約束を取り付けようと一生懸命になっている。この人が本当にひとりになれる場所はどこなんだろう?そういう場所は必要ないのかなと考えてみたところで、人はそれぞれ。幸運を祈る▼再開発の進む明石駅前。そこに、僕がひとりになれる場所がある。もうすぐそこも、思い出になってしまうのだけれど。

ふあうすと2012年4月号「明鏡府」掲載