カテゴリー別アーカイブ: 俳句

[俳句]工場の機密を覗く春の月

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Nishibata Yasutaka / 西端 康孝さん(@bata)がシェアした投稿 –

月に意思があるとすれば、春を騒がしくする人たちを眺めてどんなことを考えるのだろう、とか、夜の工場の機密を覗いてどんな未来を想像するのだろう、とか、そんなことを空想して過ごすのが好きだ。昔の人も見上げた月を、同じように見ている。この永遠に変わらない星との距離に、どれだけの想像が生まれてきたことか。

工場の機密を覗く春の月


[俳句]命日の風に抱かれし草若葉

三十歳の頃と比べれば、四十歳の自分もすこしは成長したのかもしれない。分からないくらいの、ほんの成長なのかもしれないけれど。誰に認められるよりも、いちばんに認めてほしい人がいる。いちばんに認めてほしい人は、もう、遠くへと行ってしまった。あれからの静寂。会いたいし、褒めてほしいし、頑張っているな、と言ってほしい。これからもずっと、遠いまんまなんだな。

命日の風に抱かれし草若葉


[俳句]踏み跡をたどりはしない雪の果て

「雪の果」という季語には別に「名残の雪、別れ雪、忘れ雪」などの呼び方もあるらしい。雪の終わりは春に繋がれていく。春に終わった色々を思い出さないことはないけれど、もう、辿ってはいけないのだと思う、その踏み跡と文の後。

踏み跡をたどりはしない雪の果て


[俳句]優劣は知らず月夜の梅の花

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Nishibata Yasutakaさん(@bata)がシェアした投稿 –

争いを忘れた花の優雅に、僕たちはしばらくを見惚れる。競うという言葉の意味も知らず梅は月を見上げて。美しさのそばで、僕たちはどうして優劣を決めたがるのかを考える。

優劣は知らず月夜の梅の花


[俳句]夕暮れて鴉のための色となる

初冬の夕暮れは人や街を真っ赤に燃やす。冷たい風とのコントラストの上を、鴉たちが鳴きながら帰っていった▼12月31日の寒さと1月1日の寒さは、1日しか違わないのに感じ方が異なる。季節や時季の持つ色の不思議を思う。

夕暮れて鴉のための色となる


[俳句]虫を聴く夜やメールのこころなし

秋の長い夜は宇宙で、五感に触れた全ての何かを詩に表現してみたくなる。求めては鳴く虫の声に耳を傾けていた夜と朝の境目のあたり、仕事に関する生々しい数字のメールが来て液晶が光った。現代は便利になりすぎて、宙と地上にすっかり距離がなくなってしまった。

虫を聴く夜やメールのこころなし