川柳 20130603

起立礼 なぜ今頃に温かい

あの頃はわからなくて、いま、響くようになって。記憶のどこかにある場面が、今ごろになって次の一歩を示唆してくれる。「おかげさまで」を伝えたくても、彼の人の所在はわからない。毎日を過ぎながら、きっと今だって、遠い何時かに蘇るときがくるのだろう。そんな後悔を、何度繰り返すのだろうか。そんな温度を、何度見過ごしてしまうのだろうか。

ふあうすと2008年8月号掲載