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[短歌]砂浜の粒は僕らを聴いていたもうその粒は探せないけど

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角川短歌26年10月号では通巻800号を記念して「角川短歌賞受賞作品集」が付録になっている。第59回までの歴代作品が一冊の本にまとまっているのが素敵。2011年に受賞した立花開さんは当時高校生で、50句の中に詰まった眩しさと切なさは僕の心の芯にきーんとむかしむかしを運んでくれた。「やわらかく監禁されて降る雨に窓辺にもたれた一人、教室/立花開」「ウォーリーを探すみたいにグラウンドから探し出す君の頭蓋/立花開」とか、そうだよね、そうだったな、なんて、青の体操服を教室から探した純情を思い出しながら僕はしばらく遠くに触れた。もう、色だけの残った、そんな遠くのことなどを。

砂浜の粒は僕らを聴いていたもうその粒は探せないけど