[短歌]「父さん」と叫び続けた夜に吹く桜の風は冷たかったね

「父さん」と叫び続けた夜に吹く桜の風は冷たかったね

父はいつも、人前で挨拶をする僕のことをとても喜んでくれた。通夜と告別式で違う挨拶文を考えて読みあげたのは、そんな父の耳に届けたかったから。「心臓の鼓動が止まっても耳は聞こえている」という話の真偽はわからないけれど、引き裂かれそうな涙が溢れるとき、どんな繋がりの言葉も家族には優しい。今日の短歌は病院での最期のときを思い出して詠んだもの。父は桜が大好きだった。命日の朝、仏壇の前で「今年も満開だね」と話しかける。聞こえているかい。