[川柳]「転んだ」と笑った母の肩の位置

「転んだ」と笑った母の肩の位置

愛犬ジュニアの命日に母とペット霊園を訪れた。「寂しいよ、戻っておいでよ」と写真に話しかける母の顔には傷、聞けば、家の前で転倒して出来たものらしい。転ぶはずのないような場所で怪我をした母を案じて、僕は声に出さずに五匹の力を貸しておくれと祈りを向けた。あっちに行ってしまった家族、こっちに残っている家族、春は命日が続いて、そのたび、僕は母の元気をお願いするんだろうと思う。

ふあうすと2014年4月号「明鏡府」掲載