[川柳]後悔はない 忘れてもないけれど

後悔はない 忘れてもないけれど

転落防止の柵のついたベビーベッドにいる、僕を覗き込む親の記憶がある。学校や教科書で習うようなことはこれっぽっちも覚えていないのに、幼少の頃の色や会話は今でもとても鮮明だ。今日までを生きて、様々な取捨選択。自分の選んだことだから後悔はしていないけれど、あっちの道だったらどうだろうと考えることはある。僕は金メダルを取っていただろうか、大人には見えないしゃかりきコロンブスに出逢えていただろうか。

ふあうすと2012年5月号「明鏡府」掲載